LINEが LINE証券 とは別にロボアドサービスとして展開しているLINEスマート投資は、これまでLINE Payからの積立投資に対して最大2%ものポイント還元や、運用手数料無料キャンペーンで一部で人気となり、高評価を獲得してきました。
しかし、そんな大盤振る舞いもいつかは終わるもの。
LINE Payのサービス改悪に関連して、LINEスマート投資も改悪されてメリットだったポイント還元はなくなり、手数料無料も2020年4月末で既に終了しました。
ここでは、これまで実際にLINEスマート投資を使ってみた感想と、従来のメリットと今後の改悪点についてまとめました。
LINEスマート投資とは
LINEスマート投資は、LINEがFOLIOと提携して提供している金融サービスになります。
以前まではテーマ投資と呼ばれる特定のテーマに関係する銘柄に投資するスタイルのみでした。
テーマ投資は、悪名高いテーマ型投資信託に近い形の商品だったのですが、これに加えて極めてまっとうなインデックス投資を行うのがLINEスマート投資のワンコイン投資と呼ばれるサービスになります。
こちらはFOLIOのロボアドバイザーサービスであるおまかせ投資をLINE用にカスタマイズした資産運用サービスになります。
即ち、LINEスマート投資でもテーマ投資とワンコイン投資とでは全くサービス内容が異なります。
ワンコイン投資はウェルスナビ同様のロボアドバイザー運用
LINEスマート投資のワンコイン投資は、投資一任型のサービスになります。
要は全自動で資産運用されるサービスになります。
これはいわゆるロボアドバイザーによる資産運用ということになります。
ロボアドバイザーのサービスでは、テレビCMでもお馴染みの ウェルスナビ が有名ですね。
ウェルスナビは、1990年にノーベル賞を受賞したハリー・マーコビッツ氏が礎を築いた現代ポートフォリオ理論に基づいて資産運用が行われますが、これはLINEスマート投資のワンコイン投資でも同じです。
ポートフォリオ
LINEスマート投資を実際に試してポートフォリオを確認してみました。
投資アセットは、株式と債権以外に不動産とコモディティも含まれています。
そして、各アセットへの投資配分は債権が約55%と半分以上を占めていて、ついで株式が約30%となっています。
ウェルスナビにしろ、TEHOにしろロボアドバイザーでは、私たち投資家に対する質問と回答から、最適なポートフォリオを提案して資産運用を行いますが、LINEスマート投資のワンコイン投資においては全員同じ運用となります。
いまのところ、債権への投資比率が50%以上とディフェンシブな運用であることが分かりました。
ここからは、各アセットへの投資内容についてレポートしていきます。
米国株への投資比率が高い
まずは、株式アセットの投資内容について確認してみます。
株式アセットの投資内容は、以下の3つで構成されています。
- 米国株
- 先進国株
- 新興国株
他のロボアドバイザーでは、先進国株と新興国株へ投資するETFで構成されるのがありますが、LINEスマート投資のワンコイン投資では、米国株に特化したETFとしてVTIがポートフォリオに組み込まれています。
先進国株への投資を行うVEAは、アメリカ以外の株式市場へと投資するETFで、日本への投資配分が約20%を占めるETFとなります。
債権は米国債権が大半
続いて債権の投資内容について確認してみましょう。
債権では、アメリカの債権に加えて新興国債権とハイイールド債へと投資されています。
このうち米国債への投資が約4割占めています。
そして、配当利回りが高い新興国債権とハイイールド債を合計で15%ほど組み込んでいます。
その他
株と債権以外には、REITとコモディティへも投資するのがLINEスマート投資のワンコイン投資です。
REITは、アメリカのREITに投資を行っています。
コモディティについては、金のETFにも投資を行っています。
ロボアドバイザーの運用手数料が無料
ロボアドバイザーで資産運用されるLINEスマート投資のワンコイン投資は、資産運用にかかる手数料が2020年4月30日まで無料です。
業界最大手のウェルスナビの手数料は資産運用額に対して1%かかるので、これは大きなメリットです。
なお、2020年5月以降は改悪されてウェルスナビ同様年率で1%の手数料となってしまいます。
LINE Payからの積立投資で最大2%のLINEポイント還元
LINEスマート投資を利用する一番のメリットが、投資金額をLINE Payから支払うことで、最大2%分のLINEポイントが還元される点です。
LINEスマート投資は、毎週水曜日のお昼前にLINE Pay残高から指定された金額の支払いが行われて、積立投資が行われます。
この際にLINE Payのマイカラーに準じてLINEポイントが還元されます。
LINEスマート投資では、LINE Payからの投資金額分もマイカラーの判定に利用されるので、月々の積立金額が大きくなれば、2%の還元も難しくありません。
このようにLINEスマート投資では、他のロボアドバイザーでは味わえない投資金額に対して最大2%ものポイント還元を得られる点が最大のメリットとなります。
他のロボアドバイザーに比べてポートフォリオの組み合わせが1種類に限られる点がデメリットですが、これは他のロボアドバイザーを併用する形で解決できますね。
2020年5月の改悪でLINEスマート投資の魅力はゼロに
改悪によって積立額に対するポイント還元が無くなった
LINEスマート投資を利用するメリットが、毎週の積立金額をLINE Payで支払うことで最大2%ものLINEポイント還元があることでした。
しかし、LINEポイントの制度が2020年5月から改悪されるのに伴い、LINEスマート投資におけるLINEポイント還元は全く無くなってしまいます。
ご理解のとおり、スマート投資にはチャージ&ペイが利用できないため、LINEポイントの付与はありません。よろしくお願いいたします。
— LINE Pay公式アカウント (@linepay_jp) April 23, 2020
2020年5月以降、LINE Payは新たに発行されるVisa LINE Payクレジットカードと紐付けしたチャージ&ペイ利用のみポイント還元対象となります。
そして、このチャージ&ペイを使ってのLINEスマート投資は出来ません。
また、LINE Pay残高からの支払いはLINEポイントの還元率は0%に改悪されます。
手数料無料が終了し、他のサービスに比べて高い手数料となる
LINEスマート投資は、サービス開始から約1年間運用手数料無料というキャンペーンを行ってきました。
その手数料無料キャンペーンも既に終了済みです。
元々期間限定のキャンペーンなので終了するのは致し方ないところです。
キャンペーン終了後は、1%の手数料となります。
これは、ロボアドバイザーの最大手であるウェルスナビやTHEOと同じです。
しかし、 THEO+docomo は、資産運用額と運用期間に応じて手数料を割り引く制度があり、最大で0.715%まで安くできます。
そのため、手数料においてもLINEスマート投資はTHEOに対して劣ります。
SNS上の口コミや評判も悪い印象に
このようにポイント還元が最大2%から0%になり、手数料無料も無くなってしまうLINEスマート投資は、残念ながら他のロボアドバイザーに対して利用するメリットを失ってしまいます。
既にSNS上での口コミでは、LINEスマート投資を解約するという声が多く出ています。
5月からLINEスマート投資のLINEポイント錬金術使えなくなるのね。
スマート投資は解約して、今まで貯めたLINEポイントをLINE証券に移動&SP500買い付けで放置かな。— ナパ🇺🇸米国グロース (@s_investment_) April 23, 2020
アアーッ!!!LINEスマート投資、ポイント付与終わるぞ
来週の引き落とし後に解約祭りクルコレ
— ブロックにゃん《猫類》 (@block_chan) April 23, 2020
このままの状態だと、市場回復と共に顧客を ウェルスナビ に持っていかれると個人的には感じています。
もしかしたら、今現在力を入れている LINE証券 に顧客を誘導したいのかもしれませんね。
LINEスマート投資のサービスが2022年で終了
LINEスマート投資が2022年4月8日でサービスを終了することが明らかとなりました。
今後はサービスを運営していたFOLIO独自のロボアドサービスへと移行されます。
FOLIOはSBIに買収されたため今後はSBIとの連携が期待されますが、ロボアドではウェルスナビとTHEOの2強にどう挑んでいくのか注目です。