ウェルスナビとTHEOの2社はロボアドバイザーで最も知名度も人気もあるサービスです。
この2つのサービスを同時に利用して運用した結果どっちが優れた結果になるか比較すべく、それまで1年以上運用していたウェルスナビを一旦全て売却し、再度積立し直しました。
資産運用としては、やってはいけないことですが、ウェルスナビとTHEOの運用実績を身をもって比較することで読者の方にとって得られる結果もあると考えて、やってみることにしました。
半年以上運用した実績を比較
なにわともあれ、ウェルスナビとTHEOそれぞれの運用実績について、アプリの画面をキャプチャーしたのが下記になります。
ウェルスナビとTHEOでは毎月の積立額が異なるので、投資している絶対額が異なっています。
ウェルスナビとTHEOを2018年8月下旬のほぼ同じタイミングで運用を開始してから、半年以上経過した時点ではウェルスナビが円ベースでプラス3.9%なのに対して、THEOの方はプラス1.6%という結果でした。
どちらも年末年始の相場が悪かったタイミングでは、含み損を抱えた状態でしたが、そこから市況が回復するに従ってグラフは右肩上がりとなり、最近は含み益が出ている状況です。
そして、X(旧Twitter)などで他の個人投資家のつぶやきを見ていても、ウェルスナビの方がTHEOよりもよ利益を出している傾向があります。
ウェルスナビにしろ、THEOにしろ、個々の運用リスクをどの程度取るかによって運用実績は変わりますが、個人的な印象としては、今の所ウェルスナビの方が運用実績面では優秀な印象です。
ただ、2019年4月以降THEOでは大幅な手数料引き下げが行われるので、今後に関してはTHEOの運用実績向上が期待できます。
ウェルスナビとTHEOのポートフォリオを比較
さて、半年以上ウェルスナビとTHEOを利用した結果、運用実績としてはウェルスナビの方がTHEOよりも2%ほど良い結果となりました。
そこで、それぞれのロボアドバイザーではどのようなポートフォリオが組まれていたのでしょうか?
それを確認していきましょう。
ウェルスナビのポートフォリオを見てみる
ウェルスナビのポートフォリオは非常にシンプルで保有しているETFは僅か6銘柄です。
THEOのポートフォリオを見てみる
続いてTHEOのポートフォリオを見てみましょう。
下記を見てもらえれば分かるように、ウェルスナビに比べて保有しているETFの銘柄数が圧倒的に多いことが分かると思います。
ポートフォリオの内容を比較しての評価
株式に対する投資についていえば、THEOは各国別のETFを複数保有しています。
これに対してウェルスナビでは、バンガードのVTIにVWOのように数十の国々へ投資するETFを買い付けています。
インデックス投資でいえば、ウェルスナビの方が王道です。
また、投資先の銘柄数もウェルスナビが僅か6銘柄なのに対してTHEOでは18銘柄に投資を行っています。
このようなことから言えるのは、THEOの方がより投資先について細かくコントロールしようとしている傾向にあるという事がわかります。
そのため、THEOは相場の下落局面に強い印象があります。
実際、2018年末の相場下落時にもウェルスナビよりもTHEOの方がマイナス幅が少なかったので、投資家から見ると心理的な負担が小さくなるというメリットがあります。
含み損が大きくなると、ロボアドバイザーを使って長期投資をしようとしているのに、解約する投資家が出てきます。
ロボアドバイザーで数少ないAI投資を行っているTHEOの評価
THEOは数ある日本のロボアドバイザーにおいて数少ないAIを活用してポートフォリオを組んだり、投資先のリバランスを行っています。
他のロボアドバイザーが、私達投資家のスタンスを判断する初期段階における質問事項でのみしかAIを用いていないのに対して、ほんとうの意味でのAI投資を行っています。
ただ、AIによる投資を行っているからといって、何かメリットがあるとは個人的には感じていません。
実際問題、THEOよりもウェルスナビの方が運用実績は2%も良いわけです。
AIという流行のワードに騙されることなく、最終的に結果を出すロボアドバイザーを利用すべきなのは言うまでもありません。
そういった面で、現用ではTHEOよりもウェルスナビの方が総じて優れていると考えます。