ソーシャルレンディングを行っているうちの1社である「みんなのクレジット」が証券取引等監視委員会による検査の結果、色々と問題が見つかり2度に渡る行政処分を受けました。
出典 株式会社みんなのクレジットに対する行政処分について:財務省関東財務局
今後、ソーシャルレンディングへの投資を検討している方は、「みんなのクレジット」にどんな問題があったのかを理解し、安全性が高い会社を利用してソーシャルレンディング投資を行っていただきたいと思います。
みんなのクレジットの問題点
自転車操業を行っていた
ソーシャルレンディングでは投資家から集めた資金を匿名組合のファンドに出資し、出資先からの配当や利益を投資家に還元する流れとなっています。
みんなのクレジットでは、不動産ローンであったり、中小企業を支援するという名目の匿名組合ファンドに対して投資家から集めた資金を投資していたわけですが、これらファンドの償還時に、まだ償還を迎えていない他の匿名組合ファンドの資金を充てていたことが判明しました。
即ち自転車操業状態であることが判明したわけです。
キャッシュバックキャンペーンも自転車操業
ソーシャルレンディングではよくキャッシュバックキャンペーンを行っているのを見受けます。
みんなのクレジットでも検査結果が公表される前日には、下記のようなキャッシュバックキャンペーンがアナウンスされていましたが、実はキャッシュバックするためのお金は、投資家から集めた資金を使っていて、自転車操業を行っていました。
投資先を偽って資金を集めた
みんなのクレジットでは、先程紹介したように不動産ローンであったり、中小企業を支援するという名目の匿名組合ファンドに対して投資家から集めた資金を投資するという説明をHP上で行っていましたが、実際には殆どがみんなのクレジットのグループ会社への出資金となっていました。
即ち、投資家に説明した内容の通りには運用されていなかったのです。
更に、そのグループ会社は、平成28年5月から11月まで多額の赤字を出し続け債務超過の状態に陥ってました。
それを投資家から集めた資金によって救済していたのです。
そのため投資家からの出資金は返済が届こる可能性が高いと証券取引等監視委員会は判断しています。
担保の内容も偽った
また、出資先を偽っていたので当然担保も当初HPに記載していた不動産や有価証券ではありません。
みんなのクレジットのグループ会社の未公開株式が担保になりますが、それがどれだけ現金化できるのかは不明です。
社長の借金返済に投資家の資金を私的に流用した
みんなのクレジットの白石社長は、グループ会社の社員に命じて自身の銀行口座に投資家からの出資金を振り込ませていました。
いわゆる私的流用というやつです。
また、自身の銀行口座だけでなく借り入れ先に対しても同じくグループ会社の社員に命じて送金させていて、かなりの重症といえます。
みんなのクレジットの今後と返金対応
このように非常に大きな問題を抱える「みんなのクレジット」ですが、事実上復活は困難で、営業を再開することは無いでしょう。
そもそもが自転車操業状態で、投資による配当を行っていたわけではなく、出資先のグループ会社も債務超過状態で、事実上の破綻状態といえます。
その後、2018年になってから投資家への返金対応が行われましたが、債権回収が殆ど出来なかったことから、投資家への返金は投資額に対して僅か3%ほどだったと東京商工リサーチが報じています。
怪しい会社の見分け方
みんなのクレジットの問題が表面化する前に予兆はあったのでしょうか?
これについては、予兆があって証券取引等監視委員会が2016年12月にみんなのクレジットに対して検査に入ったことがいくつかのサイトやブログで評判になっていました。
証券取引等監視委員会による検査情報を確認
証券取引等監視委員会による検査情報を確認することで、ある程度怪しいソーシャルレンディングを見分けることは出来ます。
ただ、注意点もあります。
それは、証券取引等監視委員会による検査がイコール詐欺案件に当たるという訳ではないということです。
検査結果が出るまでには数ヶ月以上の時間を要することが多いため、検査結果が出るまでは問題があったのか無かったのかの判断は出来ません。
例えば、下記ブログでは、検査が無事に終了したことから「みんなのクレジット」には問題が無かったという評価を読者に与えてしまっています。
2017年1月現在では、検査を終えた模様。またみんなのクレジットのホームページでは特に何も知らせはないです。行政処分など、何かあった場合は告知する義務があるので、何もないということは無事に検査を終えたということだと思います。
しかし、実際には検査行為が完了しただけで、検査結果が出たわけではないのです。
検査が入ったかどうかは重要な情報ですが、検査が終わったからといって安心しないようにしましょう。
他のソーシャルレンディング会社は大丈夫なのか?
ここで気になるのが、「みんなのクレジット」のように問題を抱えていたり、詐欺行為を働いているソーシャルレンディングは他にないのか?ということです。
そこでここ数年行政処分を受けたところを紹介します。
1つ目は、日本クラウド証券が運営するクラウドバンクです。
現在は営業を再開していますが、自己資産とファンド資産が分別管理されておらず金融庁から営業停止処分を受けています。
2つ目は、2018年に行政処分を受けたラッキーバンクです。
ラッキーバンクの場合もみんなのクレジット同様に、投資家から集めた資金を社長である田中氏の親族に貸し付けていたことが分かっています。
ラッキーバンク・インベストメント株式会社に対する行政処分について:財務省関東財務局
自社に不利な情報も公開するクラウドクレジット
個人的にソーシャルレンディング会社の中で一番信用度が高いのが クラウドクレジット です。
なぜクラウドクレジットが個人的に信用度が高いかというと、自社に不利な情報も積極的に公開しているからです。
これまで行政処分を受けたところは、高利回りばかりをアピールして、債権回収が予定通りではない案件やプロジェクトについて情報公開を行っていませんでした。
それに対してクラウドクレジットは、そういった自社に不利となる運用上の情報もブログやセミナー等で公開してくれます。
また、今回のみんなのクレジットに対する証券取引等監視委員会の検査結果が公表されるや否や真っ先に自己資産とファンド資産が分別管理されており、運用状況についてもHP上でこれまで同様公開していく旨の声明を出しています。
運用されているファンドの状況(債務履行状況、貸付先の信用状況、回収状況等)については、当社ウェブサイト上の運用報告書を通して適切に開示をさせていただいております。
クラウドクレジットは、コンプライアンスブログを立ち上げるなどソーシャルレンディング会社の中では法規制遵守をアピールしている珍しい存在です。