2022年から新たに開始されたLINE証券のCFDを実際にやってみたので、他社のCFD取引との比較もブログで解説していきます。
私自身CFD取引の経験は10年以上ありますが、ここ最近また日本でもCFD取引のサービスを開始する証券会社が増えてきている印象があります。
おそらくここ数年米国株が好調で、個人投資家からのニーズが高まってきていることが背景にあるのではないかと考えられます。
インタラクティブ・ブローカーズ証券(IB)を12年間使ってみて感じた事
CFDの取引は日本だとIG証券が有名なので、これらとの比較もブログでしていきたいと思います。
日本で世界中のマニアックな銘柄を売買できるのはIG証券だけ
LINE CFDはIG証券と異なり取引手数料が無料
CFD取引はFX同様差金決済の取引なので、基本的には取引手数料は無料です。
ただ、業界最大手のIG証券は米国株の個別銘柄CFD取引だと16.50米ドル(約2000円)もの手数料が発生します。
IG証券のCFD取引も、日経平均やダウ工業株30種平均などの株価指数や債権取引は手数料無料です。
また、ロンドン証券取引所に上場している銘柄の取引だと、11ポンド(約1600円)の取引手数料が発生します。
これに対してLINE CFDとSBIネオトレード証券のCFDは米国株の個別銘柄取引も手数料無料となっています。
SBIネオトレード証券のCFDをやってみたので他社と手数料等を比較
2023年にLINE CFDはサービス終了となるため手数料無料なのはSBIネオトレード証券のみとなります。
サービス名 | サクソバンク証券CFD | SBIネオトレード証券 | IG証券 CFD | LINE CFD (サービス終了) |
取り扱い銘柄数 | 約9000 | 27 | 約12000 | 約100 |
日本株手数料 | 無料 | 取扱い無し | 0.055% | 無料 |
米国株手数料 | 0.165% | 無料 | 2.2セント/1株 最低16.5米ドル | 無料 |
欧州株手数料 | 0.25% 最低12ユーロ | 取扱い無し | 0.11%~ 最低11ユーロ~ | 取扱い無し |
中国株手数料 | 0.2% 最低40香港ドル | 取扱い無し | 0.275% | 取扱い無し |
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スプレッドに関する調査
CFD取引の手数料にあたるのが株の買値と売値の差であるスプレッドです。
FX取引を経験している方なら今更説明することもないでしょう。
因みに、FXはCFD取引の為替取引にあたる部分なのでCFD取引の一種といえます。
スプレッドはIG証券の方が圧倒的に狭いので少額取引以外はIG証券の方が取引コストは安い
そのスプレッドについて、実際にLINE CFDの取引アプリで確認してみました。
電気自動車で有名なテスラ株のスプレッドは3.19ドルとなっています。
1株あたり3.19ドルなので、10株取引すれば往復で31.9ドルの手数料が実質発生することになります。
一方でIG証券のスプレッドを見てみると、0.45ドルとLINE CFDと比べると6分の1以下です。
ただ、IG証券で米国株の個別銘柄をCFD取引すると、片道で16.5ドルの取引手数料が発生するのでこれを加味する必要があります。
10株(株が896円だと約9000円相当)取引した場合、IG証券の場合は、37.5ドルの実質手数料となり、LINE CFDよりも手数料が高くなります。
これが100株(株価896円だと約9万円)の取引だとLINE CFDは319ドルの実質手数料で、IG証券は78ドルの手数料となり、圧倒的にIG証券の方が安くなります。
このように少額取引ではLINE CFDの方が取引コストは安くなり、通常取引だとIG証券の方が取引コストは安くなります。
CFD取引はレバレッジ取引なので、正直あまり少額取引は意味が無いと思います。
CFD取引の経験が無い方なんかですと、まずはCFD取引の仕組みを肌感覚として理解するのにLINE CFDを利用するのはありかと思いますが、なれたら様々な銘柄を売買できるIG証券の方が使い勝手が良いですね。
スプレッドは銘柄ごとに異なる
次にAmazonの株についてもスプレッドを確認してみました。
LINE CFDでAmazon株を取引する場合のスプレッドは11.68ドルとなっていました。
一方でIG証券は4.33ドルのスプレッドとなっていて、LINE CFDに比べて約3分の1となっています。このように銘柄によってスプレッドは異なります。
LINE CFDの口座に直接入金できないので注意
LINE CFDで取引するには、LINE CFDの口座に入金する必要があります。
ただ、銀行振込やLINE Payから直接LINE CFDの口座に入金ができないです。
一度LINE証券の口座に入金した後に、CFDの口座へ振替える必要があります。
また、LINE PayからLINE証券に入金した資金は、当日中にCFD口座へ振替えることが出来ず、翌営業日の15時以降にならないと振替できないので注意してください。
LINE CFDへの振替時は、取引種別毎に口座があるので、それぞれ取引したい口座へ振替する必要があります。株の取引をしたい場合は、CFD株式口座へ振替するようにしてください。
取引できる銘柄数はIG証券に比べて圧倒的に少ない
LINE CFDで取引できる米国株の銘柄数は2023年2月時点で100銘柄となっています。
一方のIG証券は米国株だけでも4000以上、世界で1万2000以上の銘柄を取引できます。
日本で世界中のマニアックな銘柄を売買できるのはIG証券だけ
CFD取引は通常の株取引では出来ない、米国株の空売りも可能なので、取り扱い銘柄数が多いのはそれだけ取引チャンスが増えることを意味します。
なお、IG証券より少ないですが、サクソバンク証券のCFDなら銘柄の取引が可能で、IG証券よりも手数料が割安です。
サービス名 | サクソバンク証券CFD | SBIネオトレード証券 | IG証券 CFD | LINE CFD (サービス終了) |
取り扱い銘柄数 | 約9000 | 27 | 約12000 | 約100 |
日本株手数料 | 無料 | 取扱い無し | 0.055% | 無料 |
米国株手数料 | 0.15% 最低5米ドル | 無料 | 2.2セント/1株 最低16.5米ドル | 無料 |
欧州株手数料 | 0.25% 最低12ユーロ | 取扱い無し | 0.11%~ 最低11ユーロ~ | 取扱い無し |
中国株手数料 | 0.2% 最低40香港ドル | 取扱い無し | 0.275% | 取扱い無し |
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LINE CFDは0.1株単位で取引できるので米国株を1万円未満1000円程度で売買できる
LINE CFDが他社のCFD取引と異なるのが米国株を0.1株単位で取引できる点です。
例えば、Amazon株を取引する場合、約7万円の資金が必要ですが、LINE CFDなら0.1株から取引できるので約8000円あれば取引できます。
結局のところLINE CFDより他社を使った方が良いのか?
個人的な意見としては、LINE CFDを利用するメリットはあまり感じません。
それは何故かというと、CFDを使うメリットは世界中の銘柄を機動的に売買できる点にあるからです。
何かニュースがあった時にすぐに空売りして利益を挙げることも出来ます。
しかし、LINE CFDだと、そもそも取引できる銘柄数が限られていてCFDのメリットが全然活かせません。
LINE CFDで米国株や日本株を取引するなら、普通のネット証券で現物株を売買した方が良いです。
マネックス証券なら米国株の取り扱い銘柄数が5000を超えているので、取引したい銘柄が無いという事は少ないです。
米国株の取り扱い銘柄数5000以上
もしCFD取引をするなら取り扱い銘柄数が多いところを選ぶべきです。
ただ、IG証券は米国株の取引手数料が高いの点はネックです。
そういう意味では、サクソバンク証券のCFDを利用した方が低コストで多数の銘柄を売買できるメリットがあります。
取り扱い銘柄世界で9000以上