インタラクティブ・ブローカーズ証券とGMOクリック証券のCFDを使って米国株を空売りしてみました。
米国株を空売りできる証券会社
以前まで日本の証券会社だと米国株の信用取引が出来なかったため空売り出来なかったのですが、2022年7月から米国株の信用取引が解禁されたことで、ネット証券でも米国株の空売りが可能となりました。
2022年7月時点で米国株の信用取引が可能な日本のネット証券は楽天証券とマネックス証券、そしてSBI証券の3つのみです。
ただ、現状日本のネット証券で米国株の空売りをする上では下記のようなデメリットがまだあります。
- 最低委託保証金率が30%以上と高い
- 最低委託保証金が30万円以上と高い
- 取引できる銘柄数が少ない
一方で米国の証券会社で信用取引口座(マージン口座)を開設すれば信用取引が可能になるので、米国株の空売りもあまり制限なく可能です。
今回は、かれこれ9年以上利用している米国のIB証券ことインタラクティブ・ブローカーズ証券を使って米国株の空売りを試してみました。
因みに、マージン口座の開設は特段条件は条件はなく、リスクに関する同意書にサインすれば利用できます。
インタラクティブ・ブローカーズ証券で米国Amazon株を空売り
今回は、インタラクティブ・ブローカーズ証券のスマホアプリ「IBKR Mobile」を使って、米国株の空売りを試しました。
インタラクティブ・ブローカーズ証券で空売りできる個別銘柄はHPで検索することが出来ます。
インタラクティブ・ブローカーズ証券で空売りできる米国株の銘柄
今回は、空売りが実際に出来るかどうかを試すため、有名なAmazon株を取引しました。
信用取引を行う前の口座情報を見ると、当然ですが、証拠金関連は0となっています。
この状態で、銘柄検索を行い、Amazon(ティッカー:AMZN)を選択します。
株価が表示されるので、注文数量を決めます。デフォルトは100株になっています。
Amazonの株価は1株3000ドル以上なので、いきなり100株も取引したら300万円以上の取引になってしまうので、1株に減らして、売り注文を出します。
今回は空売りできるかのお試しが目的なので、成行注文で出したので直ぐに約定しました。
口座のポートフォリオ画面を確認すると、空売りしているので、ポジションはマイナス1となっています。
また、信用取引なので証拠金についても0から取引結果に合わせて数値が更新されています。
続いて、空売りのショートポジションをクローズするため、買い注文を行います。
CFDを使った米国株の空売り
米国株を空売りする方法として、日本人にお勧めなのは個別株CFDサービスを利用する方法です。
先程紹介した米国の証券会社を利用する方法は、多くの日本人投資家にとってはお勧めできません。
それは、取引に必要なお金の入金に海外送金手続きが必要であることや、特定口座がないので確定申告が面倒な点が主な理由です。
また、証券会社とのやり取りも英語が必要となります。
それに対して、CFDを使った米国株の空売りならば、日本の証券会社でも利用できるので安心です。
IG証券の個別株CFDを使って米国株を空売り
米株の空売りはCFDを利用すると簡単にできます。
特にIG証券は米株を4000銘柄以上も取引できる且つ空売りもできるので、他の証券会社だと空売りできない米株も空売りすることが可能なので大きな特徴です。
IG証券で米株を空売りするには、口座開設した後にIG証券のHPからログインします。
因みに口座開設は、スマホを使った本人確認だと申し込みの翌日には開設ができましたが、書類でのやり取りだと1週間以上かかります。
IG証券では多種多様な取引が可能なんですが、この中から個別株口座の取引画面を開くを選択します。
取引画面が開きます。
検索メニューで空売りしたい米国株のティッカーを入力すると、該当する銘柄が表示されます。
例えば2020年から2021年初頭に話題となったアークのETFを取引したい場合は、ARKKとティッカーを入力するとイノベーションETFが銘柄一覧に表示されます。
銘柄名を選択すると、個別株のチャートと売りと買いの価格が表示されます。
ここで売り価格と買い価格が表示されているところを選択すると注文画面が表示されます。
注文画面で、「売」部分を選択すると、空売り注文の画面になるのですが、アーク社のARKKのように空売りができない銘柄もあります。
そこで今回は、IG証券での空売り取引を説明するために、空売り可能なiRobotを例に説明します。
空売りするには、売り価格を選択し、ロット数を選択して注文確定ボタンを押します。
注文を出すと約定通知が届きます。
取引画面の左側にある保有ポジションメニューを選択すると、ロット数がマイナスになっている空売りポジションを確認できます。
保有ポジション画面で決済ボタンを押すと、空売りしている銘柄の反対売買を行ってポジションがクローズされます。
GMOクリック証券のCFDを使った空売り
今回は、GMOクリック証券のCFDを使ってテスラ(Tesla)株を空売りしてみました。
GMOクリック証券のCFDは、取引手数料無料で取引コストはスプレッドのみなので、10株未満の少量取引で他の証券会社より低コストで取引できます。
ただ、GMOクリック証券で取り扱っている米国株CFDの銘柄数は僅か58銘柄になります。(2021年9月時点)
そのため、米国株の空売りをCFDで行うならIG証券がオススメです。
IG証券のCFDならNYSEやナスダックなどの米国主要株式市場をカバーする4,000以上の銘柄を空売り可能
GMOクリック証券でCFD取引をするには、証券取引口座開設後に外国証券取引口座とCFD取引口座を開設する必要があります。
私の場合、今から14年も前の2006年に証券取引口座は開設済みだったので、追加で外国証券取引口座とCFD取引口座を開設しました。
追加の口座開設なので両方合わせて1日ほどで完了しました。
口座開設後、取引に必要な資金を入金します。
入金はまず証券取引口座に行われるので、CFD口座に振替を行います。
資金移動が完了したら、いよいよ米国株の空売り取引を実践します。
GMOクリック証券の米国株CFDは、夜11時30分から翌朝6時までの取引時間となっています。
基本的には米国株の取引所が開いている時間帯となります。
また、CFDの場合は信用取引同様にレバレッジ取引が可能となっています。
GMOクリック証券では最大5倍のレバレッジを効かせることが出来ます。
次に銘柄検索画面で空売りしたい銘柄を検索し、選択します。
今回は、電気自動車で有名なテスラの株を売買します。
CFDはFXのように、売値と買値にスプレッドが設けられていて、これが実質の手数料となります。
テスラ株に関しては1.3ドルのスプレッドが設けられています。
そのため、単純に空売りして、買い戻しを行うと1.3ドル損することになるので、空売りで利益を出すには1.3ドル以上の株価下落が必要となります。
注文画面に戻って、売買で売りを選択し、注文タイプと数量を入力します。
今回はお試し取引なので数量は1にしました。
成行注文なのですぐに約定し、取引結果画面に履歴が表示されます。
ここで損益状況や証拠金の状況を確認できます。
また、買い戻しによる決済もこの画面の決済ボタンから可能です。
決済が完了すると、損益が確定します。
今回のテストケースでは151円の利益となりました。
米国株の空売りに関するまとめ
米国株を空売りする方法として、下記2つの方法について紹介し、実際に実践しました。
- 米国など海外の証券会社で信用取引口座を開設する
- 日本の証券会社でCFD取引を利用する
記事の中でも触れたように、日本人の個人投資家に海外の証券口座はお勧めしません。
それは、入出金や税金対応など管理面が煩雑なうえ言葉の問題もあるからです。
ましてや、昨今日本の投資環境は著しく改善していて、一般的な投資家が海外の証券口座を持つメリットはかなり少なくなっています。
米国株の空売りをしたい場合はCFDの活用するのが無難です。
ただ、GMOクリック証券のCFDだと米国株の空売り出来る銘柄は限られるので、IG証券の口座も併用して持っておくと便利です。